忙しいキッチンでも続くサンクス習慣の仕組みづくり
飲食店のキッチンは、朝から夜までノンストップで動き続けます。
朝の仕込みが終わればすぐにランチ、ランチが終われば夜の準備、そしてディナー。
閉店してからも後片付けや翌日の仕込みが待っています。
そんな中で「ありがとう」を伝える時間なんてないと思う経営者も多いはずです。
しかし、忙しい現場だからこそ「サンクス習慣(感謝を伝える習慣)」は効果を発揮します。
感謝の一言は、スタッフのやる気を高め、チームワークを強くし、お客様へのサービスにも良い影響を与えます。
もくじ
なぜ感謝の習慣が必要なのか
キッチンは暑くて狭く、音もうるさく、時間に追われます。
スタッフは汗だくになりながら作業し、体も心も疲れ切ってしまうことがあります。
そんな職場で感謝の言葉が交わされると、「自分の頑張りが認められている」という気持ちが湧き、疲れが和らぎます。
これは若手にもベテランにも同じ効果があります。
離職率の改善
飲食業界は人が辞めやすい業界です。
その理由の多くは「人間関係のストレス」です。
ある洋食店では、感謝の習慣を取り入れたところ、半年で辞めるスタッフが半分以下になりました。
「ありがとう」があることで、スタッフ同士の関係が柔らかくなり、働きやすくなったのです。
チームワークが良くなる
感謝を伝え合うことで、「自分の仕事は仲間の役に立っている」と感じられます。
結果、お互いの動きをよく見るようになり、困っている時に自然と手が伸びるようになります。
キッチンの一日にある感謝の場面
感謝は特別な場面でなくても生まれます。
忙しい一日の中には、小さな「ありがとう」の種がたくさんあります。
朝の仕込み
- 野菜をきれいに切ってくれた同僚。仕込みがスムーズになった。
- 魚の下処理を予定より早く終わらせてくれたスタッフ。余裕を持って調理に入れた。
- 発注ミスに気づき、開店前に近くの店で食材を補ってくれた若手。
ある和食店では、毎朝の仕込み中に感謝をメモするルールを作ったところ、スタッフ同士の声かけが増え、開店前の雰囲気が明るくなったそうです。
ランチ営業中
- 急な団体予約にも落ち着いて対応したホールスタッフと、それに合わせてペースを変えてくれたキッチン。
- 盛り付けを丁寧にしてくれたことで、お客様から「見た目がきれい」と言われた。
- 洗い場が混雑していたときに、火口担当が手を止めて皿洗いを手伝ってくれた。
こうした瞬間を覚えておき、営業後に一言感謝を伝えると、その日の疲れも和らぎます。
午後の準備
- 夜の仕込みを予定より早く進めてくれた。
- 新メニューの試作を手伝ってくれた。
- 厨房の掃除を率先してやってくれた。
あるイタリアンレストランでは、午後の準備時間にお互いの作業を褒める「3分感謝タイム」を取り入れた結果、仕込みのスピードが上がったそうです。
ディナー営業中
- 食材が足りなくなった時に、別のメニューで代替してくれた。
- お客様の特別なリクエストに柔軟に対応してくれた。
- 体調が悪いスタッフをさりげなくフォローしてくれた。
閉店後
- 重い鍋や器具をすすんで洗ってくれた。
- 翌日の仕込みを前倒しでやってくれた。
- 全員に「お疲れさま」と声をかけてくれた。
こうした小さな「ありがとう」が積み重なると、翌日の空気がまったく違います。
感謝がもたらす良い影響
- スタッフのやる気が上がる
- 辞める人が減る
- お客様への対応が良くなる
- ミスやトラブルが減る
あるカフェでは、感謝の習慣を始めてからクレームが2割減り、常連客が増えました。
感謝を続けるための3つの工夫
1. 感謝を書く場所や方法を決める
紙のカードやノート、ホワイトボードなど、すぐ書けてすぐ見られる方法を用意します。
小規模な店ならノート一冊でも十分です。
2. タイミングを固定する
- 朝礼の最後に一言ずつ
- 営業後の片付け前に一言ずつ
- 週末にまとめて共有
時間を決めることで、忘れずに続けられます。
3. みんなが見える形にする
感謝を書いたカードやノートは、スタッフルームや休憩室に貼ります。
見えると励みになります。
導入時によくあるつまずきと解決法
- 最初はやるけど続かない → タイミングを固定する
- 一部の人しか書かない → 全員参加のルールを作る
- なんとなくの言葉になる → 「何をしてくれて助かったのか」を具体的に書く
店の規模別の工夫
- 小さいお店 → 全員が顔を合わせて感謝を伝える
- 中規模のお店 → 書いた感謝をボードで共有
- 大きなお店 → 部署ごとに分けて感謝を集める
実際に、30席の小さな居酒屋では、終礼で一言ずつ感謝を言うようにしてから、スタッフ同士の笑顔が増えたといいます。
長く続けるために
店長や経営者が率先して感謝を伝えることが大事です。
上の立場の人がやっていると、スタッフも自然とまねします。
月に一度、特に良かった感謝をみんなで振り返ると、さらに続きやすくなります。
まとめ
忙しいキッチンこそ感謝の習慣が必要です。
「ありがとう」はお金も時間もかからない最高の投資です。
毎日の中に感謝の時間を少しだけ作り、お店の雰囲気もスタッフのやる気も一緒に育てていきましょう。
今日から1日1回、「ありがとう」を増やすことから始めてみませんか。
