離職率が高い職場の共通点|感謝と承認の欠如とは
「また人が辞めた」「採用してもすぐにいなくなる」
多くの職場で、このような声が日常的に聞かれるようになりました。
離職率が高い状態は、採用や教育にかかるコスト増加だけでなく、現場の士気低下、サービス品質の不安定化など、さまざまな悪影響をもたらします。
多くの場合、離職率の原因として最初に挙げられるのは給与や労働時間、休日数といった条件面です。
しかし、それらを改善しても状況が大きく変わらない職場が存在するのも事実です。
その差を生み出しているのが、目に見えにくい社内文化です。
特に、感謝と承認が不足している職場では、知らず知らずのうちに人が離れていく流れが生まれます。
本コラムでは、離職率が高い職場に共通する原因を整理しながら、感謝と承認が社内文化に与える影響について考えていきます。
もくじ
離職率が高くなる原因➀
- 頑張りが当たり前になっている職場
離職率が高い職場で最も多く見られる特徴の一つが、努力や成果が「できて当然」として扱われている状態です。
忙しい現場ほど、業務を回すことが優先され、日々の工夫や頑張りに目が向きにくくなります。
売上を伸ばしても、トラブルを防いでも、それが評価されることなく次の業務に追われる。
このような環境では、スタッフは徐々に達成感を失っていきます。
人は評価されることで、自分の行動に意味を見出します。
しかし、どれだけ努力しても反応が返ってこない状態が続くと、「ここでは頑張っても意味がない」という感覚が生まれます。
努力が認識されない職場は、離職率が高くなる大きな原因となります。
離職率が高くなる原因②
- 評価基準が曖昧な社内文化
離職率が高い職場では、評価基準や期待されている行動が明確に共有されていないケースが多く見られます。
何を大切にしているのか、どんな行動が評価されるのかが分からない状態では、スタッフは常に不安を抱えながら働くことになります。
頑張っているつもりでも、それが正しい方向なのか判断できない。
評価される人とされない人の違いが分からない。
このような環境では、納得感を持って働くことができません。
先が見えない社内文化は、人を育てる力を弱め、結果として離職率を押し上げます。
離職率が高くなる原因③
- 感謝と承認が言葉にされない日常
感謝と承認は、制度や評価シートだけで伝わるものではありません。
日常の中で、言葉として交わされることで初めて相手に届きます。
しかし、離職率が高い職場では、「言わなくても分かる」「仕事なのだから当然」という考えが根づいていることが多くあります。
その結果、スタッフは自分の存在価値を実感しにくくなります。
人は誰しも、自分が役に立っている、必要とされていると感じたいものです。
感謝や承認が不足した環境では、この基本的な欲求が満たされず、職場への愛着が薄れていきます。
離職率が高くなる原因④
- 業務連絡だけのコミュニケーション
コミュニケーションが業務連絡に偏っている職場も、離職率が高くなりやすい傾向があります。
報告や指示はあっても、雑談や気遣いの言葉がほとんどない環境では、人間関係が築かれにくくなります。
人は仕事内容だけでなく、「誰と、どんな関係性で働いているか」を重視します。
職場に安心できる人間関係がないと、小さな不満やストレスが蓄積しやすくなり、結果として離職につながります。
離職率が高くなる原因⑤
- ミスが許されない空気
離職率が高い職場では、ミスに対する向き合い方にも共通点があります。
失敗をすると責められる、評価が下がる、居場所がなくなる。
こうした空気があると、スタッフは常に緊張状態で働くことになります。
心理的な安全性が低い環境では、意見や提案も出にくくなります。
安心して働けない職場は、人が定着しにくい典型的な例です。
感謝と承認が社内文化を変え、離職率を下げる
感謝と承認は、特別な制度やコストを必要としません。
「ありがとう」「助かった」「その対応よかったね」といった一言は、すぐに実践できます。
しかし、その積み重ねは職場の空気を大きく変えます。
感謝と承認が根づいた社内文化では、スタッフ同士の信頼関係が育ちやすくなります。
ミスが起きたときも責めるより先に支え合う姿勢が生まれ、心理的な安全性が高まります。
その結果、主体的な行動や改善提案が増え、組織全体の力が底上げされます。
離職率を下げるために必要なのは、条件面の改善だけではありません。
日々の関わりの中で感謝と承認を言葉にし続けること。
その積み重ねが社内文化を育て、人が辞めにくい職場をつくります。
離職率の原因は、日常の当たり前の中に潜んでいるという視点を持つことが、これからの組織づくりにおいて重要と言えるでしょう。
